お知らせ

衣類を長くしまう前の準備 汚れ落としと包装と湿気の考え方

「全国クリーニング生活衛生同業組合連合会」(全ク連)は、衣替えの時期に合った手入れと日ごろの手入れが、衣類をきれいに保つうえでの要点だと案内しています。季節が変わって服を何か月もしまうときや、古着を手に入れてから次の季節まで保管するときに、しまう前に何をしておくかで迷うことがあります。全ク連の「お手入れ情報」と、ボーケン品質評価機構がまとめた注意表示の例をもとに、汚れ、包装、湿気の3つの点から準備を整理します。

しまう前に汚れを落としておく

全ク連は保管の前の助言として、家庭で洗う服と、クリーニング店に任せる服を仕分けること、出すときはシミや汚れのある場所とその原因を店に伝えることを挙げています。秋冬の服は家で洗えるものが少なく、洗う回数も少ないはずなので、付いた汚れはしまう前に取り除いておくよう勧めています。汚れをそのままにすると、色の変化や黄ばみ、虫の害、カビのもとになるとも説明しています。

見落としやすい汚れの場所

  • スーツやジャケット、コートは袖口と衿のまわり、ロングコートは階段などで引きずりやすい裾のあたりです。
  • セーターなどのニットは、着ている間にこすれやすい脇や袖の毛玉です。
  • 夏物のスーツやジャケットは、袖口や衿まわり、ポケットの口に加え、広い範囲についた汗などの水に溶ける汚れです。
  • パンツやスラックスは、太ももやひざの裏、ポケットの口の汗汚れです。

革や合成皮革、獣毛の服

全ク連によると、合成皮革は着ても着なくても年月とともにべとつきやはがれが出て劣化し、汚れたまま置いておくとその部分の劣化が進みやすくなります。劣化が始まっている合成皮革の製品は、クリーニングを断られる場合もあるとしています。カシミアなどの獣毛の製品も、家庭の洗濯では柔らかな風合いを保ちにくいとして、しまう前にクリーニングで汚れを落とすよう勧めています。ふだんの合成皮革の手入れとしては、薄めた中性洗剤に浸してよく絞った布で、目立たない所で試してから汗や汚れの部分だけを拭き、水で固く絞った布で洗剤を拭き取り、よく乾かす方法を紹介しています(洗剤が残ると劣化が進むこともあるため)。天然皮革の製品は、着たあとに軽くたたく、ブラシをかける、乾いたタオルで拭くといった方法で、汚れやほこりを落としておくよう案内しています。獣毛の製品は、着たあとに乱れた毛並みを、柔らかいブラシを寝かせるようにして整えるとよいとしています。

包装と収納の場所を整える

全ク連は、クリーニングから戻った服はポリの包装を外して風を通し、収納場所を掃除してからしまうよう案内しています。クローゼットやたんす、衣装箱には詰め込みすぎないようにし、カバーをかけるなら空気の通る不織布のものを使うよう勧めています。スーツやジャケット、コートは、肩の当たる部分が広いハンガーに掛けたり、肩や袖の中にタオルなどを詰めたりして吊るし、しわと形のくずれを避けます。一方、セーターなどのニットは、長く吊るしておくと自分の重みで形がくずれることがあるので、なるべくたたんでしまうよう案内しています。

ボーケン品質評価機構が示す保管の注意表示の例には、「日に当たらない風通しの良い所で保管」のほか、ハンガーに吊るすのを避けるもの、逆にハンガーに吊るすよう求めるもの、袋から出してしまうよう求めるものが並んでいます。吊るすかたたむかは服によって逆になることもあるので、タグに保管の言葉があれば、それに合わせるのが確かです。

湿気と虫、光への備え

全ク連は、長い期間しまう場合には、すき間の少ない衣装箱に乾燥剤を入れてカビに備えるよう勧めています。防虫剤を使うときは1種類だけにし、服の上や重ねた服の間に置くよう案内しています。天然皮革や毛皮の製品は、温度が低く湿気の少ない、光の当たらない風通しのよい所にしまうよう説明しています。

素材ごとの保管の注意書き

ボーケンの付記用語の例では、アセテートとトリアセテートの服に、車の排気ガスがこもりやすい所や石油ストーブを長い時間使う部屋に置くのを避け、十分に乾かしたうえで湿度の高い所を避けて、ポリエチレンなどの袋に入れて密閉するよう添える形が示されています。絹は虫やカビの影響を受けやすいとして湿気を避けること、日光や蛍光灯の光が当たらない場所に置くことを伝える例があります。ポリウレタンでコーティングした製品は、年月で樹脂が劣化するおそれがあるとして、乾いた場所で光を避け、ときどき風を通し、重ねて置かないよう促す例が挙がっています。全ク連の案内ではクリーニングのあとのポリ包装を外すよう勧め、アセテートの例では袋での密閉を勧めているように、包装の考え方は素材や状況で変わります。

まとめ

しまう前の準備の中心は、汚れを落としておくことで、汚れは色の変化や虫の害、カビのもとになると案内されています。包装は風が通るものを選び、詰め込みすぎず、湿気と光を避けることが、全ク連とボーケンの資料に共通する考え方です。ただし、吊るすかたたむか、袋に入れるかどうかは服によって違うので、最後はその服のタグの言葉に合わせてください。丁寧にしまっても、素材によっては年月で傷むものがあることも覚えておきましょう。

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参考にした資料

各ページの内容は、2026年10月13日に確かめたものです。